同志少女を敵を撃て を読んだのでその感想をちょぴりメモしておこう。
この本を書店で見かけてそのタイトルが気になり、さっそく図書館で予約したのはいつだったろうか?もしかしたらもう半年ぐらいたつかもしれないな。予約したときは確か100人ぐらい予約待ちだった気がする。
そして今、この本の予約は400人を超えている。なかなかの人気ぶりだ。アガサクリスティー賞を受賞し、直木賞候補にもなっているということもあるが、ネットでもかなり話題になっていたらしい。
これはこの本のタイトルにも大きな要因があるような気がする。
同志少女よ敵を撃て
このタイトルに使われている文字、「同」「少女」「敵」「撃て」。近頃のアニメ、ゲーム、同人誌などのオタク文化花盛りなブームのなかで、同人誌といえばそれは少女イラストであり、その少女が武器を持って戦うパターンも数多い。さらにミリタリーと少女という組み合わせはアニメにしろライトノベルにしろ、王道的なテーマとなっている。
だからこそ、同志少女よ敵を撃てという、日頃あまり小説を読まない層にも訴えかけるタイトルと、さらには、本の表紙もまさに銃を構える少女であるという点で、人々の記憶に残りやすいものとなったのだろう。
というわけで、気長に待ってた本をようやく読み始めたわけだが、期待通りの面白さだったとまずは言っておきたい。テンポもよく、最後まで飽きさせない物語。ページ数は多く、長い話であるが、途中で一度だけかすかにダレそうな部分があったぐらいで、テンションを保ったまま最後まで読み切ることができた。
さて、物語はソ連の女性狙撃兵をテーマにしたものであり、主人公は自分の住む村をドイツ兵に襲われ、そこから軍隊に入って狙撃兵として活躍するのだが、もちろんただ敵を撃つだけの話ではない。女性ならではの葛藤や憤りが大きな主題となって描かれる。
主人公の少女が戦う目的は、敵をたおすことであり、女性を守ることである。
この女性を守るというのが、曲者というかなんというか、つまり敵というのは相手のドイツ兵ということだけではないんだな。女性を辱める者、女性を犯す者、という奴ら全員殺してやる、という気構えなんだよな。
しかし、戦争って当たり前だが異常な事態。いつ死ぬとも限らない。明日死ぬかもしれない。いや、今死んでもおかしくないのよ。だって爆弾飛んでくるんだもの。
当たる音と、当たらない音は違う。っていうけど、当たる音を聞いて、そこから逃げ出そうとして大丈夫なの?って思っちゃう。思っちゃうよね。聞いた時にはもう遅いんじゃないの?って。でもだからといってどうすることもできないか。できないんだよな。
そんな状況でまともな精神状態でいられるはずがない。もしくはその状況になれるだろう、嫌でも。そうイヤでもなれるのだとおもう、たぶん。
いや自分はもちろん戦争にいったことはないし、極限状況に放り込まれた経験もたぶんないとは思うが、それでも過酷な中に放り込まれたら、気が狂わない限り、次第に順応してしまうのだろうとは思う、多くの人が順応するのだと思うよ。
さて、そうなると戦争で、敵を攻略して敵陣に入って、ワイは別にだからそこにいた女を犯そうとは思わないだろうとは思うが、みなさんはどう思うかね、とにかくでも、集団で男ばかりで恐怖となんやらともう滅茶苦茶な中で殺し合いして、敵を倒してふみこんで、そこに女がいて、その女を犯すなんてことはもうあるだろう、ありそうだろうと思うのが普通かな。もちろんワイのことじゃないよ、他の兵隊らがってことさ。
普通というのもどうかわからんがしかし、この本でも犯すやらなんやらいっぱいそんな言葉使われてるから、この同志少女よ敵を撃てに倣って書くと、やはり女を犯す奴もたくさんいるだろうし、もちろんそれは禁止されるべきもので、よくないだろうが、実際戦争となるとそういうことは起こるもんだろうというのは誰でもわかってしかるべきなんだな。
それを守る、だから味方であろうが女を犯す奴は殺すというのが主人公である。それを良いとも、悪いとも、判断はできない。この本を読んでて思ったのは、男だけの兵団だったら、こんな問題は起きなかった、ということ。
まあ軍隊だけでなくどんな集団でも、グループでも、男の中に女が入るとやはり食い違いは出てくるものだね、と思った。戦争の悲惨さ、戦闘時の緊張、恐怖、といったものも感想になるが、それと同時に、女が入ってややこしくなるパターンといった感想も同時に持つ。
もう一つ、この同志少女よ敵を撃てに倣うならば、男性兵士にとっての敵はドイツ兵と女性兵士ということになるんだろうな。極端かな、いや、そうでもないだろうな。
主人公が嫌う行為を全ての男性兵士が行う可能性があるのだから。その時にこの主人公は躊躇いなく射殺しようとするだろうから。こりゃもう女が入ってきたときに殺してしまうしかない、と考えてもおかしくないな。
といってもそれが、いいとか悪いとかそういう話ではない。ただそう感じただけ。
なんだか文章として支離滅裂だな。しかしこれを整理することはしない。そんな時間はない。ただメモとして残しておく。感想を。
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