統一
デザインで重視するべきは統一です。これがあるからこそ後の明瞭さ、簡潔さが発揮され、訴求力に優れ、人に行動を起こさせることにつながります。
統一とは何か。ある事業のキャンペーンサイトを作るならば、目立つところに同じデザインのロゴを使ったり色使いを統一して、同じ事業の情報を見ていますよと読者に安心感、安定感を与えることです。
しかし統一の考え方は一つのサイトや冊子内だけに留まるものではありません。
その事業に様々な物事や事業者が関わる場合、物事や事業者ごとに異なる方針や仕様があるのは当然です。一方その事業において「どの物事や事業者であっても変わらない大切な決まり事」というものも存在します。
その「変わらない決まり事」がどの物事や事業者の情報にも示されているかどうか、が重要です。
これはしかし、ちょっとデザインとはずれてくる話ではありますが、「デザイン的な思考」で考えるからこそ気付くものかもしれません。
さらに、「変わらない決まり事」の部分は全ての物事や事業者において共通したデザインで提示することができれば、見る人にとってわかりやすいものとなるでしょうし、安心感も与えられます。
「こちらでは説明があるけど、こっちでは特に記載がない」となれば、不安になりますよね。
明瞭
次に明瞭。デザインは何かを伝えるためにあるものですから、伝えたいメッセージが明確に相手に伝わるようにするべきです。
もちろん、じゃあ何を伝えるのか、という部分をしっかり決めておかないといけません。
ある情報を伝えるロゴのデザインを作るとします。その情報自体がイメージできるロゴも一つのパターンです。しかし直接的に情報を伝えるようなものではなく、そこに纏わる雰囲気や空気感を想起させたいという場合もあるでしょう。世界観を感じてもらう、というやつです。
空気感、世界観といったワードが出てくる場合、大抵そこには「カッコつける」要素が求められます。包み隠さず日の光の下に大きく並べて、さあご覧ください、とやってはダメなのです。
一見「何のロゴだろう?」と感じてもらわないといけません。これはまるで明瞭と真反対ではないか、と思われるかもしれません。まあそう思う人がいるのも当然と言えば当然。何の情報なんだ?と疑問を持たせてしまってるのですから。
しかし、ちょっと考えて見てください。「何のロゴだろう?」と疑問を持つということは、少なからず関心を寄せたことになります。何も訴えられなければ、疑問を持たれることすらなくスルーされるでしょう。
では何故、「何のロゴなんだろうか?」と疑問を持つのでしょうか。それはそのロゴを見て感じる雰囲気に興味を持つとか、何か自分の好きなことと関係ありそうだ、と思うからじゃないでしょうか。
それはつまり、そのロゴが世界観を明瞭に伝えていたということになるのです。
先ほど、空気感や世界観を持たせるにはカッコつけないといけないみたいなことを書きました。アパレルなどのブランドのWEBサイトもトップページは何やらメッセージが小さい文字で書いてあったり、どこにメニューがあるのか一見してわかりづらかったりしてますよね。まあ以前ほど極端にややこしいものは少なくなりましたが。